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SleepEase|第14話「完璧な朝」

    朝。
    窓から差し込む光が、彼女の髪をやさしく照らす。
    彼は目を覚まし、隣にいる彼女を見て微笑んだ。

    「おはよう」

    彼女は目を細め、少し笑みを返す。

    「…今日は、いい夢だった」

    彼は静かにうなずいた。
    昨夜、SleepEaseは起動していなかった。
    それでもふたりは、同じ夢を見ていたような気がしていた。

    朝食のトースト。
    ジャムを塗る手つき。
    コーヒーを注ぐ音。
    そのすべてが、完璧だった。

    言葉はなくても、気持ちは通じ合っていた。
    まるで、これまでの“ズレ”がすべて修正されたかのように。

    ふと、彼女がスマホを手に取る。
    SleepEaseの通知は、昨日から止まったままだった。

    「ねえ、これ…もういらないかも」

    彼は少し考え、それからうなずいた。

    夜。
    ふたりは並んでベッドに座り、画面を見つめていた。
    表示されているのは、SleepEaseのアンインストール確認画面。

    「……本当に、これでいいの?」

    彼女の問いに、彼は迷いなくうなずく。

    「うん。もう、直すところなんてないから」

    互いの手を握りしめ、同時に画面へ指を添える。

    「アンインストールしますか?」
    「はい」

    画面が暗転し、部屋の灯りもひとつ、またひとつと消えていく。

    静かな夜。
    残されたのは、ふたりの呼吸だけだった。

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